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第98回Seattleスナップ 灼熱のエフレータ

03:09:13 pm on 2009/07/13 | 5 |
  • 何かをするにしても、なんとなく気が乗らないまま、始めることを躊躇して、そのままにしておくと数年があっというまに過ぎてしまうことがあります。
    ただ単に気が乗らないときもあれば、場所が遠いとか、お金がないとか、、、、
    始めてしまえば、思ったより簡単だったり、楽しかったりするのは分かっています、躊躇しているのは貴重な時間を無駄にしてしまっているのも分かっているのですが、
    言い訳はいくらでも出てきて自分をネガティブに納得させてしまうことができます。

    20代の頃は、考えと行動が直結していて、こんなことはあまり無かったのですが、今回見に行ったエフレータに関しても、そうでした。
    人づてには、グライダーの飛行条件には最高だとは聞いていたのですが、シアトルからは車で約3-4時間ほどもかかりそうだし、
    いずれ行きたいとは思いつつも、なんとなく気が向かないまま、3年ほどが過ぎてしまいました。

    こりゃ、いかん。
    モチベーションを失いかけている気がするぞ、しかも、自分の飛行記録を改めて見てみると、せっかくアメリカに来ているというのに、
    この数年間、なんと飛行回数と時間の少ないことか。
    ガーン、ショック、仕事のし過ぎで全然飛んでない、なんのためにアメリカに住んでるのか意味無いじゃん。

    飛びに行かなきゃ、条件の良い滑空場も調べに行かねば。
    ってことは? やっぱりエフレータも見に行かなきゃいけねえ、ということで、この独立記念日の3連休を利用して、エフレータの下調べに行くことにしたのです。

    エフレータは、シアトルから西に約120-30マイルくらいでしょうか、モーゼスレークというところのちょっと北になります。
    エベレットのウチからだと、2号線を通り、ドイツ村を突っ切って行くルートになりますが、ドイツ村のレベンワースやウエナチーを過ぎると、
    気象条件がガラッとかわり半砂漠地帯に激変し、森は無くなり植生もシアトルエリアとは全く違ったものになります。
    そう、まるでサンノゼやロスの近くの砂漠地帯を同じ風景、同じ気象です。

    実際エフレータ滑空場について見ると、飛行場だけで、まわりは何にも無し。
    あるのは強烈な熱風とつむじ風、おお、これは、かつて飛びに行った、カリファルニアのモハービ砂漠と同じ感覚、まさにグライダーには最高の土地。

    しかも、この日はラッキーなことに、ちょうどいいタイミングで競技会が開かれていたので、しばしの間見学。
    上昇気流がよほど強烈なのでしょう、いったん離陸したら、誰も滑空場には戻ってきません、はるか遠くを飛んでいるのが見えます。
    いいなー、うらやましいっす。

    ちなみに、グライダーは見たとおりエンジンが無いので、黙って飛んでいると高度はドンドン落ちていきます。
    飛び続けるためには飛び石を渡るようにして上昇気流を捕まえて、高度を獲得しながら飛んでいくことがが必要になります。
    ですから、グライダーにとっては、強烈な直射日光の熱で強い上昇気流の発生しやすい場所、つまり、このエフレータのような半砂漠地帯のようなところが最適の場所ということになるのです。

    グライダーは最初の離陸は、軽飛行機に引っ張ってもらって離陸しますが、ある高度に達すると、索から離脱して上昇気流を探して自由に飛んでいきます。
    気象条件がよければ飛行時間は4-5時間も飛びますし、高度は2000-3000mくらいだったら平気で上がれます。
    飛行距離は上級者だと一日に200-300kmも飛ぶことができます。
    飛行速度は、クルーズのときで、だいたい時速70-80km、競技だと最終ゴール間際で最高速度を出して、大体250-60kmぐらいまで出せます。

    また競技は、1週間から長いものだと2週間ほど続きます。
    基本的には、設定された飛行コースをいかに早く回って来れるかを競う速度競技ですが、気象条件が変わるので、毎日違うコース設定がなされるのが一般的です。
    飛行コースは3-5箇所を結んで、元の滑空場に帰ってくるのですが、世界選手権クラスになると、一日のコースの総飛行距離が700kmという途方もない距離が課されるときもあります。
    大体、皆さん5時間程度でかえってくるらしいですが、これはもう神業に近いものを感じますね。

    滑空場を見て競技会もみることができたので、帰り道、私は意気揚々とドライブしていたのですが、横をみると、やばい! Etsukoさんが、かなり大変なことになっている。
    そう、なにしろ半砂漠地帯なので、暑いのなんの、おそらく100°Fは超えていたでしょう。
    ついには車のエアコンからも熱風が吹き出して、車は走るサウナ状態、灼熱地獄のドライブになっていたのでした。
    Etsukoさんオテモヤン状態で目はうつろ、かなり、危険な状態だったので、かえりはワインで有名なヤキマに寄って、涼しくなるまでお休みしてからシアトルに帰ったのでした。
    (毎回毎回過酷な旅で申し訳ありません)

    まあ、今回はとりあえず滑空場の下見ができて良かったですし、競技会には、かなり強烈にモチベートされてしました。
    できれば、頻繁に通うようになりたいものですが、そのためには、やはり自分の機体を持たないと・・・・・・うーん、先はやっぱり長いけど、気長にあきらめずに、ですね。

    写真はこちらから



     

コメント

  • kiko 23:28 on 2009/07/13 | #

    へー!へー!へー!
    知らないことがたくさん書いてありました。
    すごく面白かったです。
    そして何より小説的な始まり方で(笑)引き込まれました。

    グライダーは
    > 飛び石を渡るようにして上昇気流を捕まえて
    飛ぶんですね、知りませんでした。
    だけどどうやって「捕まえ」るの??
    どうやって「次はあそこに上昇気流がある」とわかって進むの?
    グライダーは飛行機以上に謎だらけです。

    確かに日々に忙殺されて「すべきこと」を「したいこと」より優先しがち、大人って・・・。
    私はパートナー氏に日曜日「まあゆっくりしなさい!」と言われるまで、どうしても布団干したりカーペットコロコロしたりクリーニング出しに行ったりとウロウロしちゃいます(笑)。誰かに声をかけてもらわないとゆっくりすることに気づかないって怖いわ~。

    etsukoさん、過酷な旅のお供お疲れ様でした!
    おかげで?ダンナさんのモチベーション急上昇ですね。
    自分の機体を持つようになったら支出も急上昇かもしれないけど・・・お金で買えない気持ちがあるし、お二人で頑張ってくださーい!

    それにしても高性能グライダーとやら、やたらに美しいデザイン・・・。

  • etsuko 12:38 on 2009/07/14 | #

    ダンナさんは初イースト・ワシントンでしたが、私はWenatcheeとYakimaは2度目です。茶色い丘が続き、サンノゼを思い出します。シアトル周辺と違って乾燥していて、グライダーには最高ですね。ちなみにリンゴ、チェリー、ワインでも有名です。

    それにしても、この夏最高気温の100度(37度)でエアコンなしドライブはきつかったです。砂漠みたいで遮るものもなし。途中、息苦しいと思ったら、顔が真っ赤になっていたそうで、ジュース買って日陰で休みました。自分では気づかなかったのですが、日射病みたくなってたようです。オテモヤンか。

    今度は飛べるといいですね。

  • etsukoさんのダンナ 17:11 on 2009/07/14 | #

    湿度の多い日だと、上昇気流があると雲ができるので、できるだけ雲(なるべく底が平らで明るく見える雲)の下を狙って行きますが、必ずしも上昇気流があるとは限りません。

    ですから、地形を見て熱くなりそうな場所、例えば工場の上空とか、露出した地面の上とかを探します。
    他には、風が当たっている斜面の上空とか。

    全感覚を研ぎ澄ませて、様々な場所に当たりをつけながら、探っていくのです。

    上昇気流に入ると、機体が持ち上げられるのですぐに分かります、それに上昇下降を計る計器も積んでいるのです。

    ちなみに、グライダーは美しいデザインを求めて設計しているのではなく、エアロダイナミックスを極限まで追求した結果、このような美しい形になったのです。

    グライダーは本当に美しいです。
    私は、人が設計した乗り物の中で最も美しいものだと思っていますが、このカタチの美しさを理解してくれる人がいてよかったです。

    この間、会社の若者にグライダーの写真を見せたら、羽虫みたいな飛行機などど、たわけたことを抜かしているヤツがいました、そいつはもう美的感覚ゼロです。

  • shige 11:30 on 2009/07/17 | #

    ダンナさんの言うとおり、はじめの一歩が大変なんですよね。始めないことの楽なこと。
    始めてしまえば、それなりになんとかなるもんなのですが・・・

    しかし、「始めなければ」の対象が飛行機(グライダー)とは、スケールでかいなあ。
    そして車で3-4時間で半砂漠とは、さすが大陸。アメリカでかし。

    グライダー、美しいですよね。要は人工トンビですけれど。
    ル・マンの上級カテゴリ、F1、戦闘機等々、旅客ではなく居住性を考えなくて良いものって、理論的により良いものを追って、結果として美しくなっていきますね。

    それでも、自動車・バイクは馬の、船・潜水艦は魚・イルカの、飛行機・飛行船は鳥たちの美しさにまだ届いていない気がする中で、グライダーだけはトンビより美しいんじゃないかなと感じます。
    あれを美しいと感じる人、俺の周囲では多数派ですが・・・誰ですか羽虫とか言った人は。

    ただ・・・グライダーを手に入れる前に、手始めとしてエアコン付きの車を手に入れるという案はいかがでしょう?

    >kikoさん

    kikoさんはなかなかゆっくりできない性格なのですね。まあ、まじめな人だから・・・
    でも、おいらみたいな人間もなんとか生きていけてるし、もうちょい楽しても良いのでは。

    俺は土日に用事がないとほとんど寝てたりします。土曜日を寝過ごしたこと数知れず・・・
    大丈夫なのですよ~

  • etsukoさんのダンナ 13:37 on 2009/07/17 | #

    Shigeさん、

    機体の性能自体はトンビより上かも知れませんが、飛行技術では絶対にかないません。

    昔、滑空場で見ましたが、地面すれすれの低い場所にイキナリ、トンビが数羽いっぺんに集まってきてくるくる回りながら、羽ばたきもしないで、あっという間に高いところまで昇って見えなくなっていきました、彼らには上昇気流が見えているのでしょう。

    トンビは、ひょっとしたら普通の人には、カラスと同程度の鳥にしか思わないでしょうが、私はとても美しいと感じました。

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