気軽に。ふんわり。コミュニケーション

第109回Seattleスナップ 病院には行かない

04:37:20 pm on 2009/10/27 | 4 |
  • 今週末はマイケル・ムーアの映画「Capitalism: Love Story」を見に行った。「ラブストーリー」というのが彼らしい。彼の映画はアメリカの見えにくい部分、アンフェアな部分を見せてくれるが、見る度にやりきれない気持ちも残る。もともとアメリカは暴力的で好きじゃなかった。この6年間、地域のためにできることで自分のためにもなることをちょこちょこやれてるからか、少し見方も変わっているけど、レイシズム、クラシズム、セクシズム...すごい力のイズムを感じてもいる。彼の映画はおもしろいし見たいんだけど、見た後にどんな気持ちになるか、恐怖もあった。結果は、市民レベルでCHANGEを求める動きに触れられてて、ポジティブな終わり方だったと思う。

    最近、わき腹が痛かった。原因はストレスと決め付けている。先月は左の親知らずが痛み、その後右側が痛み、固いものが食べられなかった。次がわき腹。トホホ。

    これって、日本にいたら即、お医者さんに行ってる。行って、きちんと診てもらって安心する。

    だけど、ニューヨークでちらっと目を診てもらって300ドル取られた(保険アリ)。去年は夫が足首が痛いと医者に行ったら「痛風」と言われた。痛風ほど痛くなかったし、原因も考えられないので、運動からくる炎症だと私たちは素人診断した。ドクターは「賭けてもいい。絶対痛風」と言って聞かない。レントゲンとか取ってもらいたかったんだけど...。行く度に25ドルのCo-Pay払って、ほとんど診てもらえず、バカらしくなって諦めた。そのうち治った。ちなみにCo-PayはCo-payment、診療前に払う一律の一部負担で、2000円くらいだけど、これってけっこう高い。

    友人は目が腫れたので眼科に行ったら、普段、健診で訪れている病院からの紹介状がなかったから100ドル取られたという。「緊急だったから、目のお医者さんに直接行った」と怒っていた。彼女も保険は入っている。けど、この症状で紹介状?100ドル?ニューヨークでは知人が日本に帰った。理由の一つは医療費が高すぎるから。

    こんなことを経験してるから、病院なんか行きたくなくなる。先日、2年ぶりに健康診断をしたけど、尿検査の結果が一向に送られてこない。紛失されてる気もするが、何も問題ないから送らないのかもしれない。再検査になったらまたCo-Pay払うのバカバカしい、どうでもよくなってる。

    ご存知のように、アメリカには公的な医療保険制度がない(低所得者に州からの支援はあります)。大きな会社だと保険は良いプランに入れて、全体の負担金額は少なくて済む。だからアメリカでは保険プランのある会社で生涯働かなきゃならない。あるい は病気にならなきゃいいけど、ケガや病気は本人の意思とは関係なくやってくる。日本はなんで物価が高いんだ、といわれるけど、私にとってアメリカは食品は 怖いくらいに安く、医療費は怖いくらい高い。

    ちなみに夫がレイオフになったときは、月々の保険が800ドルとか言われて、無保険生活を体験した。公的保険は「社会主義」だからと毛嫌いされている。医療費がとんでもなく高くなっちゃってるから(ホント、むちゃくちゃ高い)財源も問題だし。医療費が高いからか、お医者さんにもちゃんと診てもらえない気もする。

    そうそう、映画の話に戻りますが、マイケルの映画の中で「教育、医療、住居...。ヨーロッパや日本の人々はこれらを持っている。我々は、このすべてを失う可能性がある」と日本を持ち上げてくれてたけど、日本の福祉も問題...。映画にはサリー機長(ハドソン不時着)も登場します。彼はテレビでパイロットの厳しい実情を訴えているのを見たことがあります。映画では公聴会の様子が出てきますよ。彼の仕事振りは素晴らしいと思う。...そんなことを考えた週末でした。



     

コメント

  • shige 08:21 on 2009/10/28 | #

    どんな国も問題をかかえながらやっていってるもんだ、とは言ったって…

    医者の診察を受けること自体に障壁があるのは問題ありすぎなんじゃなかろうか。

    しかも毎回診療前に25ドル払わせといて、医者のその態度はひどい。仕事しろよ〜
    日本でいうヤブ医者が多いのかな?

    そういえば少し前オバマが、国民皆が入る日本の健康保険みたいなのの導入を口にして、全米から非難されてる、てな感じのニュースを見たような。

  • etsuko 14:36 on 2009/10/28 | #

    お医者さんはヤブ医者というより、保険でカバーできる範囲で治療したがってる感じを受けます。
    アメリカの医者は病院に勤務してるんじゃなくて、病院の一室を借りて治療行為をしているそうです。で、保険の適用範囲は保険の種類によって違う&保険会社から圧力がかかるので、医者は「患者にとってベストの治療」が必ずしも選べない。患者も医者も、症状と同時に保険に縛られてるのか。あぁ、あと、医療訴訟のコストも忘れちゃいけません。アメリカ人の考え方そのものが変わらないと、医療改革は進まないと思います。
    この辺のことは、堤未果著「貧困大国アメリカ」や「正社員が没落する」に出ています。

    オバマといえば、ちょっと前の話になりますが、医療保険の演説中、「この新しい国民保険制度は不法移民には適用されません」と言った瞬間、議員から「嘘つけっ」と大ヤジ。大統領の演説にヤジを飛ばすとは、あまりにもマナー違反。医療問題(この場合は移民問題もかな)は非常に感情的な問題に摩り替わっている気がする。テレビの扱いは様々。「社会主義になるのはごめんだ」というScare tactics(恐怖心をあおるやり方)に注目していることもあれば、「アメリカでは予防という観点が弱い。野菜がファーストフードより高い。保険と並行して健康の考え方そのものを根本的に変えなきゃダメ」と提示しているのもある。オバマが取り上げたことによって、議論が盛んになるのはいいけど、個人攻撃は見ていて気持ちのいいものではありません。

  • etsukoさんのダンナ 16:00 on 2009/10/29 | #

    ちょうど今読んでいるのが、司馬遼太郎の胡蝶の夢で、幕末に日本の医療の欧米化を進めた人たちの話です。

    物語の中のお医者さんたちの志がとても高かったことに感動しています、物語の中の一部で、人間の命を商売に利用するのは畜生道にも劣る、というようなことを司馬遼太郎が登場人物に言わしめているのが印象的でした。

    いまのアメリカの医療、保険制度って、人間の命を商売の道具にしているようにしか思えません。
    悲しいっすね。

  • etsuko 12:52 on 2009/10/30 | #

    そうですね、お医者さんは本来の業務である治療に専念してもらわないと困ります。保険会社は営利企業だけど、社会福祉的な要素も入ってないと怖いですね。

    今日のシアトルはボーイング工場のノース・カロライナ移転で揺れました。787の組み立て第2ラインをエベレットではなく、真反対の州に工場を立てて進めるようです。大工場2つで大変そう、というか、労組の力が強くなってるこっち側を閉鎖する?なんて不安もよぎりますが。

コメントする